高速道路が崩れたのに、木造住宅が潰れなかった理由

2011.09.30

家の構造別に「重さ」と「受ける力」を考えてみましょう。RC(鉄筋コンクリート)造、鉄骨造、木造の家にそれぞれ以下のような「重さ」があるとします。家は各階が六五平方メートル、延べ床面積が一三〇平方メートルの総二階建てです。つくりや広さの変わらない三種類の家が、仮に三〇〇ガル程度の大地震に見舞われた際に受ける水平力ですが、「建造物には重さに比例して力がかかる」という原理に従って計算すると、RC造が一五〇トン、木造は三〇トンということになります。同じ地震でありながら。重量のあるRC造には木造の五倍の力が働くわけで、したがってRC造はそれだけ巨大な「横からの力」に耐える構造にしなければいけないのです。ただRC造の場合、最も効率的にその「強度」を引き出すためには、壁の厚さを三〇センチぐらいにしないといけない。ところが一般住宅の壁の厚さは通常一〇センチです。ということは、この程度の壁の厚さでは、RC造の本来の強さは効率的に発揮できないということです。かといって壁を厚くすればそれだけ重量も加わりコスト的にも負担が大きくなる。あちらを立てればこちらが立たずで、一般住宅をRC造にして「強度」を出すのは至難の業なのです。これに対して木造住宅が受ける力は三〇トンですから、一見したところ頼りなげでも、構造計算上は「水平力への対応力は十分にある」といえます。材料が軽い分、耐久性という点では木造のほうが有利になるわけです。これを考えると阪神淡路大震災で「重さ」「頑丈さ」を象徴するRC造のビルがもろくも崩れ落ち、その一方で木造二階建ての住宅が倒壊しなかったのも奇妙ではなくなってくるはずです。

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