九八年三月一六日には、ペットの処分を命じる東京高裁の判決を不服として飼育者が最高裁判所に上告していた事件で、最高裁は高裁の判断を支持して上告を棄却している。管理規約(細則)で飼育禁止が規定されている場合、ペットを飼育できる道は断たれたことになる。しかし、飼育が禁止されていることを知りながら、隠れてペットを飼育している居住者は意外に多い。マンションにおけるぺット飼育を一律には排除できない事情がある。ペット飼育の効用としては、単身老人などの孤独の解消、病気の治療(機能回復など)、動物飼育をつうじて自然とのふれあいを実現する、などが指摘されている。管理規約(細則)の禁止条項では、ペット飼育について、「他に迷惑または危害をおよぼす恐れのある動物を飼育すること」または「他の居住者に危害、鳴き声、悪臭などの影響を与える恐れのある動物を飼育すること」などのように、具体性に欠ける条文になっているものが多い。それでは、鳴き声を出さないネコやイヌならば飼育できるのか、ということになる。無用のトラブルを避けるためには、より具体的な条文で規制する必要があろう。居住者間のトラブルを解決する責任を負っているのは管理組合である。管理組合が十分に機能していないマンションでは、良好な住環境が保証されていないことになる。管理会社がなんでも処理してくれると思っている人がいるが、大きなまちがいである。管理会社は、居住者間の問題の処理までは委託されていないのである。
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