家づくりを通して家族全員が成長

2011.10.07

自分で家をつくるという体験を経て、Hさんは変わった。現在リビングルームで使っているテーブルやソファも手づくりだ。キャスターを付けるなど、細かいところにも工夫がしてある。以前のHさんだったら、ソファやテーブルを自分でつくってみようなどと思うことはなかっただろう。何といっても、つくってすぐに壊れてしまった下駄箱の実績があるのだから。「家一軒を自分の手で建てたのだから、ソファやテーブルぐらい出来ないはずはない。そう思って取りかかってみると、これがまた簡単にできるんですよ」Hさんの言葉は自信にあふれている。専門家に頼らずに家を建てたという体験は、Hさん一家にも大きな影響を与えた。現在、都市に生活しているサラリーマンの家庭にとって、家族全員で力を合わせて何かを成し遂げる機会はほとんどない。「家内と2人で、一生懸命穴を掘っていた時のことです。子どもたちも一緒に連れてきたんですが、休日ごとに家族で弁当持参で電車に乗って来たので、ピクニックでもしていると思ってたんでしょう。気がつくと、掘ったばかりの穴に、子どもたちが土を入れてはしゃいでいるんです」しかし、やがて土台ができる頃になると、子どもたちにも自分たち家族の住む家をつくっているんだという自覚が芽生えてきた。道具運びなど、自分たちの出来ることを見つけては手伝うようになった。子どもたちは確実に成長していった。以前は、与えられたおもちゃも乱暴に扱って、すぐ壊してしまうことが多かったが、家づくりを手伝うようになってからは物を大切にするようになった。

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