高気密、高断熱、防犯を考えていくべき

2011.09.30

近年、高気密、高断熱が標準仕様であるかのようにされ、機械による換気制御も可能になって以降、温度の負荷を少なくするために、窓は必要以上に小さくなり、家の無表情さに拍車がかかっています。住みよい家にするための高気密高断熱が、閉じられた家づくりを結果してしまうのは本末転倒です。住まいは本来、家族という最小の組織のためのものであっても、常に地域や社会に向かって、限りなく開かれているべきだと思います。世界的に著名なグラフィックデザイナー、チャマーヤフは、家が道路やコミュニティに対して閉されてしまうと、家とコミュニティとの関係がなくなる、家のどこかをコミュニティに開かなければならないと指摘しています。とりわけ子ども部屋は、私の設計では、東西南北は関係なく、できる限り道路側に置きます。窓は大きめにし、ささやかでも、道路からの話し声が聞こえ、窓を開けば街の姿が見えるようにしたいからです。外から見れば、家族の気配がわかるように、そして、植栽を始めとして玄関までの導入部のデザインや、建物の陰影によって、通る人も楽しくなるような住まいが望ましい。小さなことであるかのように思えますが、こうした工夫によって、人や街との関係が始まるのではないでしょうか。この大前提の下で、高気密、高断熱、防犯を考えていくべきなのです。

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